久しぶりに観た映画「ウォール街」~多くの行動には善悪を区別する自制心が求められる
1987年に公開された映画「ウォール街」をお存じの方もいるでしょう。
この映画は、私が社会人になった年の作品で、ちょうど日本がバブル経済のピークを迎えようとしていた頃だ(そう私はバブル組)。
貧乏人から大金持ちの投資家に成り上がったゲッコー(マイケル・ダグラス)に憧れ、ゲッコーを自分の顧客にしたい証券マンのバド(チャーリー・シーン)が、自分の父親が務めている航空会社の内部情報をリークしてしまう、つまり、違法行為のインサイダー取引をやってしまうことからストーリーが展開。
証券マンのバドは成り上がるために、ゲッコーもさらなる利益のためにバドを悪用していく、バドも要求されればゲッコーの言うことに従っていく...
この映画の感想を一言で述べると、人間は自分の欲を満たすため、自分の立場を有利にするために、自分を守るためなら、悪いことであっても、力がある者や権威者に盲従してしまうことが多いことを示していると思う。
力のある者に盲従してしまうことは「スタンレー・ミルグラムの実験」での実証が有名。
この実験では、悪いことであっても自分は指示・命令された立場でしかなく、すべての責任は指示・命令した権威者にあると現実から目を背けて、現実逃避によって盲従してしまうことが実証されている。
そして、この映画でもそうだが、多くの場合「後の祭り」「後悔先に立たず」となるわけだ。
ちなみに、ご記憶にあると思うが、リクルート事件(リクルートコスモス株のインサイダー取引)もまさにこのころの出来事。
当時は今ほどインサイダー取引規制が強化されていなかったので、この手の悪行は珍しくない時代で、映画「ウォール街」はアメリカの話だが、ストーリーとバブル期の時代背景がマッチしていて面白く感じた。
とにかく「スタンレー・ミルグラムの実験」でも実証されてる通り人間は決して強い生き物ではない。
だから、目標・希望に向かっていく過程で善悪を区別する自制心を意識することを忘れてはならない....こともこの映画が示しているような気がする。
多くの行動には善悪を区別する自制心が求められることを、この映画が語ってくれた気がする。